2012年01月28日
中村安希「食べる。」
中村安希「食べる。」(集英社)
「Beフラット」より旅で出会う人との関係が色濃く出ているので読んでいて楽しい。アフリカ、東欧、アジア各地の人たちの懐である家族に入り込み、出会った家族の食という小さな営みを静かにていねいに綴っています。おおげさにしない、言葉が通じなくても何となく伝わる表情や動作、調理のさばきなど細かな部分を観察し、綴ることで出会った人たちの気持ちを浮かび上がらせているように感じます。どの章も著者の旅が人との出会い、語りあい、確かめ合いなんだということが伝わってきます。第13話自家蒸留ウォッカ/アルメニアで、民宿の老人が口上を述べては果てしなくウォッカで乾杯しながら、震災に見舞われた日本人に対する哀悼の言葉を述べるシーンが印象的。
「Beフラット」より旅で出会う人との関係が色濃く出ているので読んでいて楽しい。アフリカ、東欧、アジア各地の人たちの懐である家族に入り込み、出会った家族の食という小さな営みを静かにていねいに綴っています。おおげさにしない、言葉が通じなくても何となく伝わる表情や動作、調理のさばきなど細かな部分を観察し、綴ることで出会った人たちの気持ちを浮かび上がらせているように感じます。どの章も著者の旅が人との出会い、語りあい、確かめ合いなんだということが伝わってきます。第13話自家蒸留ウォッカ/アルメニアで、民宿の老人が口上を述べては果てしなくウォッカで乾杯しながら、震災に見舞われた日本人に対する哀悼の言葉を述べるシーンが印象的。
2012年01月27日
水稀しま「ALLWAYS三丁目の夕日’64」
水稀しま「ALLWAYS三丁目の夕日’64」(小学館ジュニアシネマ文庫)
映画のストーリーブック。東京オリンピックを時代背景にした「ロクちゃんの恋」がテーマ。
ビートルズがアメリカでぶっちぎりの快進撃を続けていた頃、日本中は東京オリンピックに沸いていたことを思い出します。
小学校の授業中に、暗くした部屋で扉のついた少し大きめのテレビを前に、クラス単位でオリンピックの競技を見た記憶がうっすらとあります。
日本全体が「明日がある」という希望を持っていた時代として描く一方で、無料診療を行う医師の集団がいあったりなど、必ずしも明るさだけではないことをそれとなく映し出し、確かにそう!と感じます。奥田英朗「オリンピックの身代金」のように、表面的な反映とは無縁の存在がいてこそ…も感じます。
映画のストーリーブック。東京オリンピックを時代背景にした「ロクちゃんの恋」がテーマ。
ビートルズがアメリカでぶっちぎりの快進撃を続けていた頃、日本中は東京オリンピックに沸いていたことを思い出します。
小学校の授業中に、暗くした部屋で扉のついた少し大きめのテレビを前に、クラス単位でオリンピックの競技を見た記憶がうっすらとあります。
日本全体が「明日がある」という希望を持っていた時代として描く一方で、無料診療を行う医師の集団がいあったりなど、必ずしも明るさだけではないことをそれとなく映し出し、確かにそう!と感じます。奥田英朗「オリンピックの身代金」のように、表面的な反映とは無縁の存在がいてこそ…も感じます。
2012年01月25日
今野泰幸・遠藤保仁「観察眼」
今野泰幸・遠藤保仁「観察眼」(角川ワンテーマ21)
元コンサドーレの今野泰幸と遠藤保仁という組み合わせのおもしろさで購入。
今野の考え方を初めて知ることができ、それだけで十分儲けもの。
この二人はとても仲が良いようで、互いを知り尽くしながらいくつかの試合を二人の個性や経験、ポジションの違いから分析している部分も楽しめます。
遠藤の試合全体や人を観察しながらゲームを作っていくスケールの大きさや冷静さを、自身の言葉で語られるとなるほどと思ってしまいます。すごい選手なんだと素直に思います。
今野は、札幌時代からずっとサッカーを知ることで成長し、今もその過程にいることがうかがえ、何だか嬉しい。
タイトルは、最後まで読むとなるほど…と。遠藤という「人や試合全体を観察する」人がいて、今野の考え方が対比する形で理解できるスタイル。単純に今の日本代表を支える中心の二人の考え方を知るだけで十分楽しい。今野がガンバに移籍したことを知り、本の中の世界が現実になることでどんなプレーになっていくのかこれも楽しみ。
元コンサドーレの今野泰幸と遠藤保仁という組み合わせのおもしろさで購入。
今野の考え方を初めて知ることができ、それだけで十分儲けもの。
この二人はとても仲が良いようで、互いを知り尽くしながらいくつかの試合を二人の個性や経験、ポジションの違いから分析している部分も楽しめます。
遠藤の試合全体や人を観察しながらゲームを作っていくスケールの大きさや冷静さを、自身の言葉で語られるとなるほどと思ってしまいます。すごい選手なんだと素直に思います。
今野は、札幌時代からずっとサッカーを知ることで成長し、今もその過程にいることがうかがえ、何だか嬉しい。
タイトルは、最後まで読むとなるほど…と。遠藤という「人や試合全体を観察する」人がいて、今野の考え方が対比する形で理解できるスタイル。単純に今の日本代表を支える中心の二人の考え方を知るだけで十分楽しい。今野がガンバに移籍したことを知り、本の中の世界が現実になることでどんなプレーになっていくのかこれも楽しみ。
2012年01月23日
ザ・タイガース復活
先日、夜遅いテレビ番組で復活したザ・タイガースを観ました。
驚いたのは、瞳みのる/ピーが精悍で、ピシッとしたリズムを刻み、ビートを叩き出していたこと。
とてつもない長いブランクを感じさせず、相当な練習を重ねたことを感じました。
そして、俳優として十分なキャリアを持つようになった岸辺一徳が昔と同じベースギターを当たり前のようにタイガースのベーシストとして演奏していた姿に感動しました。
現役に復帰するためには俳優業を一時は封印しなければなかなか感覚は取り戻せないはず。ザ・タイガースの復活そのものを本気でやり遂げた喜びがすべてのメンバーから伝わってきました。すばらしい。
驚いたのは、瞳みのる/ピーが精悍で、ピシッとしたリズムを刻み、ビートを叩き出していたこと。
とてつもない長いブランクを感じさせず、相当な練習を重ねたことを感じました。
そして、俳優として十分なキャリアを持つようになった岸辺一徳が昔と同じベースギターを当たり前のようにタイガースのベーシストとして演奏していた姿に感動しました。
現役に復帰するためには俳優業を一時は封印しなければなかなか感覚は取り戻せないはず。ザ・タイガースの復活そのものを本気でやり遂げた喜びがすべてのメンバーから伝わってきました。すばらしい。
2012年01月19日
マーク・ノップラー&エミルー・ハリス・ライブ
マーク・ノップラー&エミルー・ハリス「リアルライブ・ロードランニング」
CD「ロードランニング」を基本にした二人のライブDVD&CDのセット。
このDVDは、これからもずっと観続ける作品だなと感じました。とにかく曲が良い。二人の声の性質に合うように作られているかのようで、二人のコーラスも絶妙。カントリーの雰囲気にあふれながら、それぞれの曲も全体の流れを損なうことなく成熟したアーティストの今を見せるコンサートになっています。
エミルー・ハリスの絞った高い声と年季の入ったマーク・ノップラーの低い声のバランスが応えられない味になり、マーク・ノップラーの泣きのギターが心に滲みいります。
ボニー・レイットやジェイムス・テイラー、キャロル・キングのように身をゆだねる感覚で音楽そのものを楽しめるすばらしいひとときを味わえます。
マーク・ノップラーのカントリーを聴くと、チーフタンズのライブDVDに集まったアメリカのカントリー陣営のすごさと対比してしまいます。国が違うことで同じ音楽の分野でもアプローチの仕方ががらりと変わり、味の違い、魅力の違いになっていることに驚きつつも、同じ音楽アーティストとしてすっと合わせていく音楽のすばらしさがそこにあります。
マーク・ノップラーの「ロミオ・アンド・ジュリエット」は、過去いくつものライブ映像を見ていますが、暖かみとゆったり巻が増し一番か…と。
CD「ロードランニング」を基本にした二人のライブDVD&CDのセット。
このDVDは、これからもずっと観続ける作品だなと感じました。とにかく曲が良い。二人の声の性質に合うように作られているかのようで、二人のコーラスも絶妙。カントリーの雰囲気にあふれながら、それぞれの曲も全体の流れを損なうことなく成熟したアーティストの今を見せるコンサートになっています。
エミルー・ハリスの絞った高い声と年季の入ったマーク・ノップラーの低い声のバランスが応えられない味になり、マーク・ノップラーの泣きのギターが心に滲みいります。
ボニー・レイットやジェイムス・テイラー、キャロル・キングのように身をゆだねる感覚で音楽そのものを楽しめるすばらしいひとときを味わえます。
マーク・ノップラーのカントリーを聴くと、チーフタンズのライブDVDに集まったアメリカのカントリー陣営のすごさと対比してしまいます。国が違うことで同じ音楽の分野でもアプローチの仕方ががらりと変わり、味の違い、魅力の違いになっていることに驚きつつも、同じ音楽アーティストとしてすっと合わせていく音楽のすばらしさがそこにあります。
マーク・ノップラーの「ロミオ・アンド・ジュリエット」は、過去いくつものライブ映像を見ていますが、暖かみとゆったり巻が増し一番か…と。
2012年01月17日
笹本稜「越境捜査3 破断」
笹本稜「越境捜査3 破断」(双葉社)
シリーズ3作目なので安定感があり、鷺沼を中心とするチームの勢いが感じられる作品になっています。
警察内部の腐敗に立ち向かう困難さと悪の巨大さとチームとの競争のような描き方がスピード感を伴い、極上のエンタテイメントになっています。2作目のラストがそのどんでん返しの良さがあったので、今回はどうなのかと思いましたが、なるほどねという意表を突いてくれました。まだシリーズが続くのか、警察内部の腐敗の材料がまだあるのか…楽しみ。
シリーズ3作目なので安定感があり、鷺沼を中心とするチームの勢いが感じられる作品になっています。
警察内部の腐敗に立ち向かう困難さと悪の巨大さとチームとの競争のような描き方がスピード感を伴い、極上のエンタテイメントになっています。2作目のラストがそのどんでん返しの良さがあったので、今回はどうなのかと思いましたが、なるほどねという意表を突いてくれました。まだシリーズが続くのか、警察内部の腐敗の材料がまだあるのか…楽しみ。
2012年01月15日
富安陽子「ぼくはオバケ医者の助手」
富安陽子/作 小松良佳/絵「ぼくはオバケ医者の助手」(ポプラ社)
「内科・オバケ科 ホオズキ医院」シリーズ7作目。この作品で、ホオズキ先生のお母さんが登場。キョーヘーはそのお母さんに招かれるようにしてホオズキ先生のいるオバケの世界にいきます。今回は、これまでホオズキ先生を手伝ってきた経験が役立つ場面があり、オバケの世界に慣れてきたキョーヘーの姿も描かれています。おもしろかったのは、お母さんはゆうれいで、オバケの世界に暮らすホオズキ先生にはその姿が見えていなかったこと。キョーヘーはホオズキ先生の親孝行にも役立ちます。シリーズの中でも、あたたかくなれる作品になっています。
「内科・オバケ科 ホオズキ医院」シリーズ7作目。この作品で、ホオズキ先生のお母さんが登場。キョーヘーはそのお母さんに招かれるようにしてホオズキ先生のいるオバケの世界にいきます。今回は、これまでホオズキ先生を手伝ってきた経験が役立つ場面があり、オバケの世界に慣れてきたキョーヘーの姿も描かれています。おもしろかったのは、お母さんはゆうれいで、オバケの世界に暮らすホオズキ先生にはその姿が見えていなかったこと。キョーヘーはホオズキ先生の親孝行にも役立ちます。シリーズの中でも、あたたかくなれる作品になっています。
2012年01月15日
ウッドストックCD
ウッドストックのライブをそのまま出しているCDシリーズを少しずつ買い集めています。
1994年に単独でリリースされたジミ・ヘンドリックスは別として、ジャニス・ジョプリン、スライ&ファミリーストーン、サンタナは、当時のCDとの2枚組セットで相当お得。ちょっと大きめのライブポスターというオマケ付き。
個人的にウッドストックは、ジミ・ヘンドリックスは別格として、スライ&ファミリーストーンとサンタナのブレイクの場だったと映画を観て感じていたので、このライブCDは儲けた気分。反面、なぜもっと前に出さなかったの?と思う気持ちもあり、複雑…。
ジャニスのライブは、ジャニスのいっくつかのDVDで観ていたことと、このときのバンドの状態からすると最高とは言えませんが、スライ&ファミリーストーンはラフながらどのバンドとも違うファンキーさがすばらしい。
(スーザン・テディスキーのライブDVD/2003で、スライ&ファミリーストーンの「ユー・キャン・メイク・イット・イフ・ユー・トライ」を演奏しているのは嬉しかった)
40年以上経ってもきらめきはそのままです。映画のパフォーマンスの全体像をイメージでき、こればかりは映像を見た人でないと伝わらないものかもしれません。
サンタナは、当時は珍しいソウルフルでパーカッションとオルガンの厚いリズム、切れのあるギターは衝撃的なデビューでした。ライブCDではボーカルに多少のあやうさがあるものの40万人の聴衆を圧倒させてやるというパワーが伝わってくるかのようです。2枚組の片方は、サンタナのデビュー盤でほとんどライブと同じなので、ライブ盤の臨場感がなおさらです。
今さらウッドストックでもあるまいしとも思う反面、このステージからすばらしいアーティストが生まれたことも確か。
1994年に単独でリリースされたジミ・ヘンドリックスは別として、ジャニス・ジョプリン、スライ&ファミリーストーン、サンタナは、当時のCDとの2枚組セットで相当お得。ちょっと大きめのライブポスターというオマケ付き。
個人的にウッドストックは、ジミ・ヘンドリックスは別格として、スライ&ファミリーストーンとサンタナのブレイクの場だったと映画を観て感じていたので、このライブCDは儲けた気分。反面、なぜもっと前に出さなかったの?と思う気持ちもあり、複雑…。
ジャニスのライブは、ジャニスのいっくつかのDVDで観ていたことと、このときのバンドの状態からすると最高とは言えませんが、スライ&ファミリーストーンはラフながらどのバンドとも違うファンキーさがすばらしい。
(スーザン・テディスキーのライブDVD/2003で、スライ&ファミリーストーンの「ユー・キャン・メイク・イット・イフ・ユー・トライ」を演奏しているのは嬉しかった)
40年以上経ってもきらめきはそのままです。映画のパフォーマンスの全体像をイメージでき、こればかりは映像を見た人でないと伝わらないものかもしれません。
サンタナは、当時は珍しいソウルフルでパーカッションとオルガンの厚いリズム、切れのあるギターは衝撃的なデビューでした。ライブCDではボーカルに多少のあやうさがあるものの40万人の聴衆を圧倒させてやるというパワーが伝わってくるかのようです。2枚組の片方は、サンタナのデビュー盤でほとんどライブと同じなので、ライブ盤の臨場感がなおさらです。
今さらウッドストックでもあるまいしとも思う反面、このステージからすばらしいアーティストが生まれたことも確か。
2012年01月12日
斉藤洋「あやかしファンタジア」
斉藤洋「あやかしファンタジア」(偕成社)
思い出したように出版される「怖いとはちょっと違うふしぎで語りっぱなしの話」の一つ。
最初の「不機嫌な男」でとりとめのないふしぎさをあいさつ代わりに読者に見せ、2話目からは物語が関連しあっていく連作のような構成になっています。ふしぎな話の世界と現実とを結んでいく男の存在も話が進んでいくにしたがい、この人はいったい何物?と思わせ、最後の話でもう一度最初の物語のように何だか煙に巻かれるように終わります。
ふしぎはふしぎ…そう思いながら読むしかありません。思い出したように届けられるこの手の作品はめっけものです。
思い出したように出版される「怖いとはちょっと違うふしぎで語りっぱなしの話」の一つ。
最初の「不機嫌な男」でとりとめのないふしぎさをあいさつ代わりに読者に見せ、2話目からは物語が関連しあっていく連作のような構成になっています。ふしぎな話の世界と現実とを結んでいく男の存在も話が進んでいくにしたがい、この人はいったい何物?と思わせ、最後の話でもう一度最初の物語のように何だか煙に巻かれるように終わります。
ふしぎはふしぎ…そう思いながら読むしかありません。思い出したように届けられるこの手の作品はめっけものです。
2012年01月11日
安房直子/作「ひめねずみとガラスのストーブ」
安房直子/作 降矢なな/絵「ひめねずみとガラスのストーブ」(小学館)
多分、個人で買う人は少ないと思います。おとなが子どもに読んであげる最上のお話なので、まずはお母さんたちが手にしないと子どもたちにこの作品が伝わらない…書店にある子どもの絵本の中からこの作品を買うために手にする確率は少ないと思います。
図書館だったら「借りて読む」ので、値段や当たり外れを気にせず選ぶことができ、この作品に巡りあう確率が高まる…そう思います。
ひとりぼっちの風の子/フーが温かさを求めてガラスのストーブを買い、森の奥で温まっていると小さなひめねずみがやってきました。ひめねずみは、やかんでお湯を沸かしてお茶を飲み、おなべでごちそうを作って食べたらさぞかし楽しいという提案をし、フーは気持ちが温かくなってすぐやかんとお鍋を買ってきます。それから2人は、おいしいお茶とごちそうを毎日食べ、満ち足りた時間を過ごします。
前半の満ち足りた気持ちから、反転して、後半は2人の別れと2人がそれぞれの世界(風の子とひめねずみの世界)で友達を作り、成長を遂げる時間の長さを描いています。
フーが最後に自身が何なのかを自覚する場面が張りつめていてステキです。
幼いときに親に読んでもらい、小学校の中学年くらいに自分で読むとよりいっそう世界が広がるかも…。
多分、個人で買う人は少ないと思います。おとなが子どもに読んであげる最上のお話なので、まずはお母さんたちが手にしないと子どもたちにこの作品が伝わらない…書店にある子どもの絵本の中からこの作品を買うために手にする確率は少ないと思います。
図書館だったら「借りて読む」ので、値段や当たり外れを気にせず選ぶことができ、この作品に巡りあう確率が高まる…そう思います。
ひとりぼっちの風の子/フーが温かさを求めてガラスのストーブを買い、森の奥で温まっていると小さなひめねずみがやってきました。ひめねずみは、やかんでお湯を沸かしてお茶を飲み、おなべでごちそうを作って食べたらさぞかし楽しいという提案をし、フーは気持ちが温かくなってすぐやかんとお鍋を買ってきます。それから2人は、おいしいお茶とごちそうを毎日食べ、満ち足りた時間を過ごします。
前半の満ち足りた気持ちから、反転して、後半は2人の別れと2人がそれぞれの世界(風の子とひめねずみの世界)で友達を作り、成長を遂げる時間の長さを描いています。
フーが最後に自身が何なのかを自覚する場面が張りつめていてステキです。
幼いときに親に読んでもらい、小学校の中学年くらいに自分で読むとよりいっそう世界が広がるかも…。
2012年01月11日
ロビーギャラリー「癒しの森」
公民館のロビーをじょうずに利用してもらおうと始めた「ロビーギャラリー」に、今回で5回目を迎える水嶋映生写真展が始まりました。22日(日)までのロングラン。
毎回、常呂の自然を写し撮った作品を展示していますが、5回目のテーマは「癒しの森」。
常呂遺跡の森を中心に、癒しの心や自然が宿る作品が18点ロビーの廊下を飾っています。
さっそく知り合いの方や社会教育広報をご覧になった方々が鑑賞にやってきました。




毎回、常呂の自然を写し撮った作品を展示していますが、5回目のテーマは「癒しの森」。
常呂遺跡の森を中心に、癒しの心や自然が宿る作品が18点ロビーの廊下を飾っています。
さっそく知り合いの方や社会教育広報をご覧になった方々が鑑賞にやってきました。




2012年01月10日
稲見一良「セント・メリーのリボン」「猟犬探偵」
稲見一良「セント・メリーのリボン」「猟犬探偵」(光文社文庫)
谷口ジロー版の「「セント・メリーのリボン」を読んでこの作家を知りました。さっそく2冊を買い求め読破。行方不明になった猟犬を捜索する探偵を主人公に設定する非日常的世界を生みだし、銃や暴力、酒や光る言葉などハードボイルドの物語がムリなく描かれているように感じます。「セント・メリーのリボン」がすべての始まりで、「猟犬探偵」では「セント・メリーのリボン」に登場する人たちが「そのまま」「その後」として物語の展開にすっと入り込み、これが長いシリーズになれば…と叶わぬ想いを持ちます。
「セント・メリーのリボン」の解説で、欧米におけるクリスマス・ストーリーの条件は、子どもが登場することと奇蹟が起こることで、まさしくこの作品はクリスマス・ストーリーになっていると書いています。このクリスマス・ストーリーは、「猟犬探偵」にも用意され、それもトナカイと子どもが空を飛ぶという極上の奇蹟を起こします。
すごい作家です。残っている数少ない作品を探しながら順不同でも読んでいきます。
谷口ジロー版の「「セント・メリーのリボン」を読んでこの作家を知りました。さっそく2冊を買い求め読破。行方不明になった猟犬を捜索する探偵を主人公に設定する非日常的世界を生みだし、銃や暴力、酒や光る言葉などハードボイルドの物語がムリなく描かれているように感じます。「セント・メリーのリボン」がすべての始まりで、「猟犬探偵」では「セント・メリーのリボン」に登場する人たちが「そのまま」「その後」として物語の展開にすっと入り込み、これが長いシリーズになれば…と叶わぬ想いを持ちます。
「セント・メリーのリボン」の解説で、欧米におけるクリスマス・ストーリーの条件は、子どもが登場することと奇蹟が起こることで、まさしくこの作品はクリスマス・ストーリーになっていると書いています。このクリスマス・ストーリーは、「猟犬探偵」にも用意され、それもトナカイと子どもが空を飛ぶという極上の奇蹟を起こします。
すごい作家です。残っている数少ない作品を探しながら順不同でも読んでいきます。
2012年01月09日
レボン・ヘルム「ランブル・アット・ザ・ライマン」
レボン・ヘルム「ランブル・アット・ザ・ライマン」
2008年のライブDVD。68歳になったレボン・ヘルムが元気なところを見せています。
咽頭ガンだったこともあり、声にツヤはなくなっていますが、ロックンロールとカントリーという好きな音楽を、ブラスセクションを交えたかなり大きな編成、かつ家族的な雰囲気のバンドで楽しそうに演奏しています。これだけでも十分。
シェリル・クロウやジョン・ハイアット、バディ・ミラーなどゲスト陣は多彩。
自身のソロ時代の曲よりもザ・バンド時代の曲をたくさん取りあげ、バンド全体で歌い演奏する場面が印象的です。曲は、ザ・バンドのものですが、ゆるやかで楽しく、そして年輪が加わり、味のあるステージ、ひととき…です。
最後の「ザ・ウェイト」はゲストともどもこの曲の良さをみんなで確かめあいながら歌った…そう感じます。
観客は、ザ・バンドの再来、再演ではなく、レボン・ヘルムのゴキゲンなドラムと歌声を聴いて満足、今も元気にステージを努めていることに声援を送っているかのようです。
リチャード・マニュエルとリック・ダンコの2人が小さなクラブで演奏したCDを持っていますが、彼らの歌の切なさに比べて、生き抜いてきたレボン・ヘルムのゴキゲンさは、まさしく生き抜いてきたからこそにじみ出ているのかも。
2008年のライブDVD。68歳になったレボン・ヘルムが元気なところを見せています。
咽頭ガンだったこともあり、声にツヤはなくなっていますが、ロックンロールとカントリーという好きな音楽を、ブラスセクションを交えたかなり大きな編成、かつ家族的な雰囲気のバンドで楽しそうに演奏しています。これだけでも十分。
シェリル・クロウやジョン・ハイアット、バディ・ミラーなどゲスト陣は多彩。
自身のソロ時代の曲よりもザ・バンド時代の曲をたくさん取りあげ、バンド全体で歌い演奏する場面が印象的です。曲は、ザ・バンドのものですが、ゆるやかで楽しく、そして年輪が加わり、味のあるステージ、ひととき…です。
最後の「ザ・ウェイト」はゲストともどもこの曲の良さをみんなで確かめあいながら歌った…そう感じます。
観客は、ザ・バンドの再来、再演ではなく、レボン・ヘルムのゴキゲンなドラムと歌声を聴いて満足、今も元気にステージを努めていることに声援を送っているかのようです。
リチャード・マニュエルとリック・ダンコの2人が小さなクラブで演奏したCDを持っていますが、彼らの歌の切なさに比べて、生き抜いてきたレボン・ヘルムのゴキゲンさは、まさしく生き抜いてきたからこそにじみ出ているのかも。
2012年01月08日
ルイス・スロボドキン「ノミちゃんのすてきなペット」
ルイス・スロボドキン「ノミちゃんのすてきなペット」(偕成社)
オリジナルは50年以上前の絵本。動物園の動物や牧場の動物も大好きなノミちゃんは、お母さんに家で動物を1匹飼うことをお願いしOKしてもらいます。ただ、お母さんの条件は家が広くないのでじっくり考えてね…です。絵本の前半にはノミちゃんが好きな動物がたくさん出てきます。あれも飼いたい、これもいいなと思いながらノミちゃんは最後にステキな動物に気づきます。
ノミちゃんの気持ちを大事にしながら最良の答えを待つお母さんのゆったりとした姿が印象的。やわらかで幸せな気持ちが最初から最後まであふれています。今の作家は書きたいと思っても書けない作品ですが、だからこそ長い月日を経て世に出てくる価値があるんだろうな…と。
オリジナルは50年以上前の絵本。動物園の動物や牧場の動物も大好きなノミちゃんは、お母さんに家で動物を1匹飼うことをお願いしOKしてもらいます。ただ、お母さんの条件は家が広くないのでじっくり考えてね…です。絵本の前半にはノミちゃんが好きな動物がたくさん出てきます。あれも飼いたい、これもいいなと思いながらノミちゃんは最後にステキな動物に気づきます。
ノミちゃんの気持ちを大事にしながら最良の答えを待つお母さんのゆったりとした姿が印象的。やわらかで幸せな気持ちが最初から最後まであふれています。今の作家は書きたいと思っても書けない作品ですが、だからこそ長い月日を経て世に出てくる価値があるんだろうな…と。
2012年01月08日
あきやまじゅんいち/文「ゴリラとあそんだよ」
あきやまじゅんいち/文 あべ弘士/絵「ゴリラとあそんだよ」(福音館書店)
ゴリラの研究者とゴリラの生態を絵で表現する2人の第一人者が、子どもたちにゴリラの子どもを通して理解を深めてもらおうと楽しい絵本を作ってくれました。ゴリラの子どもの遊びを紹介しながら、ゴリラとなかよくなれる、そのことがゴリラのことをよく知ることにつながる…を知らず知らず感じられる作りになっています。ゴリラの子どもの遊びが「心や感情」を伝える伝達方法になっていることも自然と覚えられます。人間の子どもにもとても大切なことなのかも。
ゴリラの研究者とゴリラの生態を絵で表現する2人の第一人者が、子どもたちにゴリラの子どもを通して理解を深めてもらおうと楽しい絵本を作ってくれました。ゴリラの子どもの遊びを紹介しながら、ゴリラとなかよくなれる、そのことがゴリラのことをよく知ることにつながる…を知らず知らず感じられる作りになっています。ゴリラの子どもの遊びが「心や感情」を伝える伝達方法になっていることも自然と覚えられます。人間の子どもにもとても大切なことなのかも。
2012年01月07日
もとしたいづみ/作 山本孝/絵「がっこういこうぜ!」
もとしたいづみ/作 山本孝/絵「がっこういこうぜ!」(岩崎書店)
カゼでしばらく学校を休んだりすると何だか学校に行く気がしない、そんな気持ちになったことのある子どもならすんなりとこの絵本の世界に入っていけると思います。友だちの「せいぎ」が学校に行こうよと誘いにきても、「けんご」は、学校までの道々にいろんなおそろしい怪物がいるので行きたくないとあれこれ理由をつけます。学校をしばらく離れていると自分の居場所があるのか不安になったりするけんごの気持ちを、せいぎはきっぱりとした言葉で解消させてしまいます。子どもたちの気持ちをくすぐるかのような絵がお見事。最後に自分の気持ちに貼っていたバリアをブレイクスルー場面は子どもが持っている強さを感じます。裏表紙にはおまけの絵も付いていてこれも楽しい。
カゼでしばらく学校を休んだりすると何だか学校に行く気がしない、そんな気持ちになったことのある子どもならすんなりとこの絵本の世界に入っていけると思います。友だちの「せいぎ」が学校に行こうよと誘いにきても、「けんご」は、学校までの道々にいろんなおそろしい怪物がいるので行きたくないとあれこれ理由をつけます。学校をしばらく離れていると自分の居場所があるのか不安になったりするけんごの気持ちを、せいぎはきっぱりとした言葉で解消させてしまいます。子どもたちの気持ちをくすぐるかのような絵がお見事。最後に自分の気持ちに貼っていたバリアをブレイクスルー場面は子どもが持っている強さを感じます。裏表紙にはおまけの絵も付いていてこれも楽しい。
2012年01月07日
斉藤洋/作 江田ななえ/絵「どんどんもるもくん」
斉藤洋/作 江田ななえ/絵「どんどんもるもくん」(偕成社)
もるもくんが何かに・誰かにのっかるとたちまち「もるもな気分」になり、この世は楽しい、みんなも一緒に楽しもう!になります。
どうして「もるも」、何が「もるも」なのかの説明をしないところが「まるもな気分」を表しています。まるもくんが乗っかると何だか楽しい「まるもな気分」になってしまうのだからしようもない。ページをめくるたびに、新しい展開になり、まるもな気分が高ますます高まっていく…最後は、気持ちが静まるように当たり前の今にすっと戻る、うまいなと思います。
もるもくんが何かに・誰かにのっかるとたちまち「もるもな気分」になり、この世は楽しい、みんなも一緒に楽しもう!になります。
どうして「もるも」、何が「もるも」なのかの説明をしないところが「まるもな気分」を表しています。まるもくんが乗っかると何だか楽しい「まるもな気分」になってしまうのだからしようもない。ページをめくるたびに、新しい展開になり、まるもな気分が高ますます高まっていく…最後は、気持ちが静まるように当たり前の今にすっと戻る、うまいなと思います。
2012年01月06日
2012年01月06日
富安陽子/文 飯野和好/絵「わがはいはのっぺらぼう」
富安陽子/文 飯野和好/絵「わがはいはのっぺらぼう」(童心社)
楽しい!文と絵がなかよく一つになって、お気楽なのっぺらぼうの暮らしぶりがリアル感をもって伝わってきます。
遊び心もいっぱいあり、「~であーる」などの言葉づかいや「わがはい」と言いつつ美人に化けたり…。
富安陽子さんのファンも飯野和好さんのファンも両方満足の一品。
楽しい!文と絵がなかよく一つになって、お気楽なのっぺらぼうの暮らしぶりがリアル感をもって伝わってきます。
遊び心もいっぱいあり、「~であーる」などの言葉づかいや「わがはい」と言いつつ美人に化けたり…。
富安陽子さんのファンも飯野和好さんのファンも両方満足の一品。
2012年01月05日
矢崎泰久「あの人がいた」
矢崎泰久「あの人がいた」(街から舎)
著者と縁の深かった16人との交友を綴っています。筑紫哲也、色川武大(阿佐田哲也)、渥美清、井上ひさし、深沢七郎、赤塚不二夫、長新太の部分を拾い読み。雑誌「話の特集」や遊びを通して感じた著者だけの感触を鋭さも含めてていねいに綴っています。個人的には、色川武大(阿佐田哲也)と渥美清、赤塚不二夫に対する濃い愛情を一文字ずつ埋めていったような文に打たれました。失った残念さと別れの言葉が印象的。
著者と縁の深かった16人との交友を綴っています。筑紫哲也、色川武大(阿佐田哲也)、渥美清、井上ひさし、深沢七郎、赤塚不二夫、長新太の部分を拾い読み。雑誌「話の特集」や遊びを通して感じた著者だけの感触を鋭さも含めてていねいに綴っています。個人的には、色川武大(阿佐田哲也)と渥美清、赤塚不二夫に対する濃い愛情を一文字ずつ埋めていったような文に打たれました。失った残念さと別れの言葉が印象的。



